医師の収入は経営能力にも影響される

医療業界と聞くと高い収入を稼ぐ職種が多いと思われがちだろう。医師や薬剤師は国家資格が必要な職種なので、同年代で比較するとたしかに高い年収を確保している人が多くなるのは事実だ。

しかし医師の場合、全員が多額の給料を稼いでいるとは限らない。経歴や病院内でのポジションによって異なるが、勤務時間と責任を考慮すると給料と勤務実態が合っていないと考えている医師は少なくない。例えば勤務医ではなく開業医の場合、年収が高いイメージがあるかもしれない。たしかにたくさん稼いでいる人はいるが、それを達成した人は医師としての能力のほかに経営者としての能力にも優れているという要因があるのだ。飲食店や小売業と同じように、医療施設も「どこで開業するか」が大切と言える。周辺人口が少ない地域では利益が見込めず、人口が集中している地域は土地の代金や賃貸料金が高額で利益を減らす原因になりかねない。周辺でライバルとなる病院の数も大切で、すべてにおいてバランスのとれた開業予定地は見つけにくい。

また、病院の運営は医師ひとりでは難しく、事務や看護師などのスタッフを雇用する必要がある。スタッフの募集や育成は医師の能力とは無関係なため、これもまた難しいポイントとなるだろう。開業医をうらやましく思う人もいるかもしれないが、実際は医師としての知識だけでは通用しない領域が多いのだ。成功するためには医療の分野だけではなく、組織の立ち上げと運営をするための広範囲の能力が必要なのだ。